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女性建築士のブログ 普段どおりの毎日

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2009年 07月 28日 ( 1 )

1Q84

ワタシは読み始めたらとまらず、4.5日程度で読み終わるのが常だが、今回はちょっと違っていた。
不条理(というべきか?)の世界が根底にあり、その上に現実世界が構築されているので、とまどいがあり、イッキに読むことができなかった。

読みやすかった文章が次第に不条理の世界がちらついてきた中盤からは、何回か読み返さないと理解しにくいものに変わっていったのだ。

現実世界をまず描き、不条理の世界を暗示する文中の小説世界がちらついてきて、そしてまた、現実世界が現れ、後半からは、一気に不条理世界に突入し、最後は混沌とした場面で終わった。
なぜ「混沌」かというと、現実に生きている人間が不条理世界を容認する形で終わったからだ。

このように根底の世界を舞台のように次々と変えていく小説はあまりない。
特に、慣性や惰性で長いこと生きてきた中高年には、読みにくい小説だろう。

しかし、決して退屈ではなく、ぐいぐいとその舞台に引き込まれて、感想さえもすぐには引き出せなくなってしまう。

青豆と天吾の究極のプラトニックラブが一貫してそこにはある。キリスト教がいう「原罪」にも通じるところがある、幼い日の原風景が原因ともなっている。
いやいや、ここでは、原因と結果という具象化したものではない。

人の脳にある、観念世界に身をおいて考えなければ、結局つじつまは合わないように構成されているのだ。

青豆の殺人という仕事も天吾のゴーストライターという仕事も闇の仕事であるがゆえに、その本質は隠されている。
それ以外の登場人物はすべてそれをひとつひとつ明かしていくための道具であるかのようにも見える。

構成はおそろしく斬新ですぐれている。
「劇中劇」ならず「小説中小説」のあらわし方は息を呑むほどに高い技法であった。
ひとつひとつの文章表現は比較的読みやすいのに、その複雑な構成力でかなりの難易度があがっている。
1回で理解できる人はなかなかいないであろうと思う。

久しぶりに面白い体験をさせてもらった という感じである。

あと2回は読みたい・・・
by asaasa-archi | 2009-07-28 22:19 | 読書