初めて電動の鉛筆削り機を買ってもらったのは、確か小学生の高学年だったような気がする。
それまでは、手動でゴリゴリグルグルと廻すことに集中し、黒の鉛筆ならまだしも、赤鉛筆は大変だった。
なぜなら、赤鉛筆は芯がやわらかくて、このへんかな~という一歩も二歩も手前で、とめないと、必ずキリリと尖った芯は根元で折れていたからだ。
その電動鉛筆削り機には、ダイヤルがついていた。
削りあがりの芯の細さのダイヤルだった。
お~これで、ころあいを見計らってやめなくてもすむ~と思ったとたんうれしくなった。
とりあえず黒鉛筆を削ってみた。
「ダイヤルがついてるから、安心だ~」
そして鉛筆を差込、ビュービューと音をたてて芯が削れていった、が、止まらない!どんどん鉛筆が短くなっていったのだ!
お~なんと、自分でやめないと、自動で止まらないことに気づいたときには、その鉛筆は半分の長さになっていた。
「おかあさ~ん、鉛筆がこんなんになっちゃった!」
「赤ランプついたでしょ?ついたらやめなきゃだめよ。」
「あ・赤ランプ・・・」
お~そうだったのか、赤ランプで教えてくれていたんだ・・・
少しでも疑って、ゴメンネ!電動リーナちゃん!
それから、すぐにシャープペンの時代になり、赤ランプの電動リーナちゃんは忘れられた・・・
高校になり、大学受験(鉛筆デッサンの入試)のために、鉛筆をカッターで削るようになった。
何本も何本も毎日毎日削った。
そしてワタシはこのカッターをカッティーと名づけた。
カッティーはよく働いた。ワタシの手も鉛筆の墨で真っ黒になったが、このカッティーも黒くなった。
同士だね~とワタシはカッティーに感謝した。
時は経ち、去年のセンター試験の前日、my sonが鉛筆削りない?と聞いてきた。
マークシート式なので、鉛筆も何本も持っていくのだと言った。
お~あの電動リーナちゃんはどこにいった。
そして、なんということでしょ~30分後にあの電動リーナちゃんが現れた!
そしてmy sonに、「ほら、ここに赤ランプあるでしょ!これがついたらすぐにやめないと、鉛筆が短くなるからね!」と言った。
「ダセ~」とmy sonは言った。
バ・バカ言うでない!
これが、電動リーナちゃんの売りなんだからね!
明日はセンター試験である。
今も、日本のどこかで、これと同じようなことがきっと起こっているのであろう。
がんばってくれたまえ!検討を祈る!