レミゼラブルにしようか、迷ったが、ほのぼのしたかったので、東京物語を観た。
どこにでもありそうな家族の一場面を切り取って映画にした感じだ。
瀬戸内海あたりの島の年老いた父母が3人の子供の住む東京に遊びにやってくる。
父は元教師で実直で愛想はないが真面目な男で、母親はただただ優しくおっとりした女だ。
典型的な昭和の父母像である。
次男(ブッキー)が新幹線の駅に迎えに来るが、東京と品川を間違えて行き違いになるとことから物語りは始まる。
開業医の長男夫婦、美容師の長女と典型的な髪結いの亭主的な夫、舞台芸術のバイトをしている次男と婚約者とその老夫婦の数日間を描いている。
なにげない会話があまりにも日常的なだけに老夫婦の哀愁がただよってくる。
3人も子供がいてもひとりも親元には残らず、寂しい老後を送る夫婦なのに、都会に住む子供のことだけを心配する親心に心打たれる場面だらけだ。
さめざめと泣ける。
ふるさとを離れ生活している方が見たら、泣いてばかりだろうなぁと思った。
観客はほぼ満員だったが、大半が中高年なのに驚いた。
60代70代の老夫婦が多かった。
他人事ではない設定なところに興味がわいたのかもしれない。
日本は豊かになり、二世代三世代で暮らす必要がなくなり、核家族化が急速に増加している。
それでも近くにいればなにかと安心だが、瀬戸内海と東京では、少し遠い。
ここにでてくる長男のお嫁さんも、長女の夫も次男の婚約者もみないい人なのだが、一緒に暮らしたらお互いに窮屈とか遠慮とか、居心地のよくないことばかりだろうなぁと想像できた。
老後は夫婦だけで仲良くと思っていても、突然にどちらかの死が訪れて、ひとりになる。
そういう、どこにでもある悲しいエンディングが待っている。
身につまされて泣いていた観客だらけだった・・・
で、今日は花房の 上海鮮丼 1200円です。
うますぎ!!
zzz