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思い出の薪ストーブ

建てこんだ住宅地の敷地面積が16坪という狭少地のお客様の家を設計したことがある。

ご主人、奥様、お子様二人の家族4人という家族構成だ。

お客様の依頼があった際に、薪ストーブと螺旋階段は必ずつけてほしいとのことだった。
それと、車1台分の駐車スペース、アップライトピアノを置くスペースも確保してほしいとも言われた。
ご予算もそれほど多くはなかった。

鉄骨三階建以外の選択肢はないにしても、かなり難しい設計だった。

リビングを二階に設け、そこに薪ストーブを専門店に依頼して設置した。
螺旋階段は当然独立した部屋にはできず、リビング内を通っていたので、三階も含めて煙突の輻射熱で暖める方法をとった。

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この煙突効果が意外と暖かく二階三階を暖めた。
お客様は大変喜ばれた。

ワタシは独立する直前には、ある小さな工務店で働いていた。
小さいということが大事で、仕事の全てを把握し、設計、工事の全てに関わりたいと思っていたからだった。

この事務所には、薪ストーブがあった。

薪は針葉樹では「やに」がでるので不向きで、広葉樹が最適だった。
が、そこでは、工事ででる端材を利用して薪にしていたので、針葉樹が多かった。

薪割も時々やった。
コツさえ覚えればなんてことなかった。

火をおこすコツもあって、これは、経験したものでないとできない。

たいそう暖かく、手間はすごくかかったが、身体は芯から暖まった記憶がある。

これを住宅につけるとなると、かなりの手間と費用がかかる。
だから安易に気分だけでつけようと思っても、すぐに置物になってしまう恐れがある。

薪置き場の確保 薪代金 薪割の手間 煙突掃除 火をおこしてから暖まるまでにかなりの時間がかかるので、忙しい共働き家族には不向きだ。

リモコンのスイッチひとつで暖まることもないし、ましてやタイマーやチャイルドロックもない。

まさしく お金持ちの持ち物だ。

でも、火をおこし、その炎を見ていると、魅力的で吸い込まれそうになる。
人間は動物なんだなぁ と感じる瞬間である。

手間や費用と引き換えに、得られる安息の時間もある。

不条理だと思うか、摂理だと思うかは 人それぞれである。


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by asaasa-archi | 2012-11-16 21:46 | お仕事