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名もない道端の石ころを集め、ノートにちりばめたような映画

海炭市叙景 観ました。

数々の文学賞の候補になりながらも、才能を開花させることなく散った 佐藤泰志の未完の小説を映画化したものだ。

海炭市は函館市を舞台とする架空の北国の地方都市の名前である。
叙景 というのは、オムニバス方式で5編からなる そこに生きる人々を描いているからだと思う。

星空を切り取ったような美しい叙景ではなく、道端の石ころを集め、大学ノートの切れ端にそれをちりばめたような人間の生き方を問うような映画だった。


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名もない市井の人々が、職場を追われてひっそりと過ごす大晦日であったり、中年男が妻に不倫され紋々としながら過ごす夜だったり、立ち退きを迫られる一人暮らしの老婆の淡々とした暮らしだったり ・・

そこには小さな苦しみが折り重なって、人々の心を押しつぶしていくのだが、それでもなお 日常の暮らしを営んでいかなければならない 人としての 性(さが)という宿命がある。

この映画では、だから どうしろ とか だから こうすれば幸せになれる とかいう 答えはない。
ただただ、人としての宿命の一片を切り取って、貼り付けただけのような ストーリーのみが存在する。

自分で答えを導けばいい という 押し付けがましい内容でもない。

もし、メッセージがあるとするのならば、それは、人生とは、人が生きて行くということは、何が正解で何が幸せかという 単純な構図や回答はない と教えているのかもしれない。

人生とは苦しくてつらいものだ。という作者のメッセージなのか と思うのもはばかられるような 淡々とした叙景なのだ。

こういう映画は感想として、結論を導いてはいけないのかもしれない。

叙景を楽しむというような見方のほうが しっくりとくるのかもしれない。

単純明快な映画を観て元気をもらうことも大切なのだが、こういう映画を観て、考え込む ということも 大事なのだと思う。




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by asaasa-archi | 2011-11-09 22:42 | 映画・TV