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女性建築士のブログ 普段どおりの毎日

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「クロッシング」を観た

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映画で泣いたのは久しぶりのことであったと思う。
親子愛をテーマにした韓国映画なのだが、上映にあたり、様々な逆風があり、完成から2年を経て日本での上映にこぎつけたようだ。
なぜかというと、背景に北朝鮮からの脱北が描かれているからだ。

日本でも様々なメディアで紹介されるように、今北朝鮮の人々は飢餓と戦っている。
そして言論や移動の自由もない。
民衆はさぞかし貧乏だろう。でもそれを誇張したり、蔑んだりすることなく、市井の人々のわずかな幸せをも淡々と描いている。

これはプロパガンダの映画ではないのである。
ここが重要なのである。

韓国映画というと、北朝鮮を卑下したり、貧困を誇張したり、感情表現がおおげさで、日本人がみると少し興ざめしてしまうという印象があるが、実はそれはみじんもない。
あくまでも、北朝鮮の民衆の生活を淡々と描き、誰にでも心の奥にある親子愛や家族愛を賛美している。

それが、ワタシたちの心に共鳴し、フツフツとした静かな感動を呼び起こす。
最後は涙がぼろぼろとこぼれおちる。

「クロッシング」を観た_e0147990_22222650.jpg


この子役が抱きしめたくなるほど、純粋無垢なのだ。

北朝鮮の村に住む親子三人は貧しいが幸せに暮らしていた。
が、お母さんが風邪をこじらせて結核になってしまう。
ここでは薬などはない。
お父さんが意を決して薬を手に入れるために中国に脱北する。
様々な試練が彼を待ち受けるが、運良く韓国に渡ることになる。
が、お母さんは病死し、息子は流浪しながらも父を追い脱北しようとするが失敗し収容所に送られる。

ここから先は映画を観ていただきたい

国は自分たちを守ってもくれないという悲痛な叫びが彼らの心の根底にあるのだが、拉致被害者たちも、同じ思いで遠い異国に留まらざるをえないのか思うと、隣人たちの苦悩とばかりも言えない・・・

静岡での上映は少し先で、大きな映画館では上映されないのが、とても残念である。

ここ何年かの間で、最もお勧めの映画なのだが・・・
by asaasa-archi | 2010-06-06 22:36 | 映画・TV