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枕詞(まくらことば)

垂乳根の母が釣たる青蚊帳をすがしといねつたるみたれども(長塚節)

母は背が低いので、釣ってくれた蚊帳がたるんでいるけれども、このおかげで清清しく寝れた。母の日常のさりげない愛情を表現したものである。

のど赤き玄鳥(つばくらめ)ふたつ屋梁(はり)にいて垂乳根の母は死にたまふなり(斉藤茂吉)

臨終の母に対する憐憫の情を叙情的に歌ったものである。
ふるさとに残した母への激しい愛情を押し殺し、静かな臨終の風景を描いた名歌である。
前述の長塚節(たかし)は正岡子規の弟子であり、同じ門下生に伊藤左千夫がいるが、その伊藤左千夫の弟子が斉藤茂吉である。

この中で「垂乳根」は母にかかる枕詞である。
枕詞自体に意味はない。

古くは、百人一首に数多くの枕詞をみつけることができる。
白妙→衣
茜さす→月
青によし→奈良
数え切れないくらいである。

語感の美しさと山河の風景を楽しむこの枕詞には平安の昔より語り継がれた日本語の美の真髄をかんじることができる。
「奥ゆかしさ」というにふさわしいものである。

で、「島田の家(仮」の名前を枕詞にちなんだものはどうかと奥様と話をした。
お子様の名前も「在原業平の読んだ歌」にちなんだものとしたと聞いたからだ。
最近では、暴走族でも読めないほどの、当て字で、その意味すら不明な稚拙な名前が多い中、なんて、優雅なお話であろう。

さてさて、どんな風に命名するのか、お楽しみに・・・
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by asaasa-archi | 2010-03-10 23:02 | お仕事